未経験からWebデザイナーへ

未経験からWebデザイナーを目指すための「独自の戦略」

未経験からWebデザイナーになるために、独学で学んだり、Webデザインを学べるスクールに通ったり、ハローワークの職業訓練で学んだりと様々な手段があります。

私自身も未経験からWebデザイナーとなりWeb業界歴17年以上となりましたが、これまでの経験をもとに、未経験からWebデザイナーを目指す方が、他のWebデザイナー志望者と差別化をして、就職や転職を勝ち取り、Web業界で永く稼いでいけるWebデザイナーとなるための「独自の戦略」を公開します。

「独自の戦略」の内容

いきなり「独自の戦略」の内容をご紹介すると、

「中小企業の事業会社でWebデザイナー(Web担当者)を目指す」

というものとなり、その土台となる能力が

「マーケティング力」

です。で、マーケティング力を養うために、

「自分でサイトを運営し利益を出してみる」

ことを強く推奨するのが、「独自の戦略」の全容です。

なお、「マーケティング力」があれば、Web制作会社でも気に留めてくれる会社が増えると思いますので、Web制作会社でWebデザイナーを目指す方にとっても強力な差別化要因となりますし、フリーランスのWebデザイナーを目指している方にとっては、お客様との契約を獲得するために「マーケティング力」が不可欠ですので、最終的にはWebデザイナーを目指している方なら誰にでも有益な内容だと考えています。

それでは、以下より詳しく解説をしていきます。

そもそも「戦略」とは何か?

今回ご紹介する「独自の戦略」の前に、そもそも「戦略とは何か?」ということについて解説します。

「戦略」という言葉の定義はいろいろな表現がありますが、「略」という言葉があるように、「略する」「省く」ということから、「何をすべきか」というよりも「何をしないべきか」という考え方が必要になってくる言葉です。

そこから発展して、「戦略」とは「選択と集中」と考えると分かりやすいです。

中小企業の事業会社でWebデザイナーを目指すべき理由

今回の「独自の戦略」は、「中小企業の事業会社でWebデザイナー(Web担当者)を目指す」としていますが、その理由を解説します。

Webデザイナーの中でも、どのようなWebデザイナーになりたいのか?

そもそもですが、Webデザイナーの中でも「どのようなWebデザイナーになりたいのか」ということを考える必要があります。

未経験の方には最初、想像しづらい事なのですが、Webデザイナーにもいくつかの方向性があるのです。

「Web制作会社」と「事業会社」

まずWebデザイナーを大別すると以下のように分かれます。

  • お客様のWebサイトを制作するWebデザイナー
  • 自社のWebサイトを制作するWebデザイナー

主に「Web制作会社」勤務のWebデザイナーは、お客様のWebサイトを制作するWebデザイナーとなります。

一方、勤務する会社の自社サイトを制作するために雇われているWebデザイナーもいます。このような一般企業のことを「事業会社」と言ったりします。

このように、「Web制作会社」勤務なのか、「事業会社」勤務なのかでも、Webデザイナーに求められる能力が変わってくるんですね。

「Web制作会社」に勤務するWebデザイナー

向いている方と難点

Web制作会社のWebデザイナーはお客様のWebサイトを制作しますが、以下のような方に向いています。

  • お客様と一緒になって作り上げるのが好き
  • 様々な案件で様々な経験を積みたい
  • とにかくWebデザイン、Webサイトの制作をガシガシしていきたい

ただ、難点としては、私もWebデザイナーだった時に痛感したのですが、正直、Web制作会社のWebデザイナーは稼ぎづらいです。

様々な職種の平均年収データを見ても、Webデザイナーは平均よりずっと下なんですよね…

» Webデザイナーの年収は低い? 平均年収データまとめ

なぜ稼ぎづらいのか?

稼ぎづらい原因はビジネスモデルにありまして、Webデザイン業は基本的にリピートがありません。リニューアルすると言っても数年後。しないこともザラ。更新や保守で毎月定額のサービス料をいただくという契約もあったりしますが、あまり多くの金額をいただけないことが多いです。

納品したら常に新規案件を獲得し続けなければならなく、売上を積み上げづらいんですよね。

Web制作会社が売上を上げるには、何か新しい付加価値があれば別ですが、通常は作業時間を増やすしかないので、残業するか、Webデザイナーの人員を増やさなければなりません。一人当たりの売上額の上限がある程度決まってしまうのです。そのため、給料も頭打ちになりやすいです。

Web制作会社勤務のWebデザイナーが給料を上げるには管理職になるか、Webディレクターになる等がなければ厳しいというのが現実でしょう。

なお、仕事内容の詳細については以下の記事をご参考ください。

» Webデザイナーはどんな仕事? 流れや実態など仕事内容を詳しく解説

「事業会社」のWebデザイナー

向いている方

事業会社のWebデザイナーは自社のWebサイトを制作しますが、以下のような方に向いています。

  • Webサイトを育てる仕事に興味が持てる
  • デザイン以外のマーケティングもやってみたい
  • より給料を稼ぎたいという希望がある

給料に関しては、Web制作会社勤務のWebデザイナーでも、多くの給料を稼げる可能性はもちろんありますし、事業会社のWebデザイナーでも給料が低い可能性はあります。ただ、自社サイトで事業に貢献できれば、より給料を稼げる可能性があります

事業会社のWebデザイナーは、よほど大きな会社でWeb制作が分業されているようなところでなければ、基本的には一人でWebサイトに関することは何でも任されて、Webデザイナーというよりは、Web担当者、Webマーケッターという肩書の方がイメージが近いです。

Web制作会社のWebデザイナーと違って、基本的には自社サイトの利益額には上限が無いので、給料を上げられる可能性が高いということですね。

難点

事業会社のWebデザイナーの難点は、Webデザインの仕事が少ないということでしょう。複数のサイトをたくさん立ち上げるというのもあまり無いでしょうし、一度立ち上げればしばらくリニューアルもありません。日々の更新やコンテンツ作成、アクセスアップなどの集客、成約率の向上が主な仕事になります。ここを楽しめるかどうかですね。

将来性を考えると「事業会社」のWebデザイナーがオススメ

駆け出しの頃は、Web制作会社で経験を積むのも全然ありだと思いますが、将来的な収入面を考えた場合は、どこかの段階ででも「事業会社」のWebデザイナーとして経験を積んでいくことをオススメします。

これは、自社サイトの運営を通して「マーケティング力」を鍛えて、結果を出し、WebマーケティングができるWebデザイナーになればどこの会社でも応用が効くので、実力があれば転職にも相当有利になりますし、永く稼いでいける可能性が高いです。

なお、今回の「独自の戦略」では「中小企業の事業会社でWebデザイナー(Web担当者)を目指す」としていますが、中小企業でなくても、難しいかもしれませんが大企業に就職や転職ができるなら、それはそれでまた違ったスケールの大きい経験ができるので、アリだと思います。

ただ、現実的には未経験からの場合は中小企業になると思いますが、規模や人員が少ない分、任される範囲が大きくなり、より広範な業務経験を積めることが期待できます。

「独自の戦略」の土台となる「マーケティング力」

今回の「独自の戦略」は「マーケティング力」が土台になければ成り立ちません。この「マーケティング力」について解説します。

「マーケティング力」とは?

まず「マーケティング」とは、これも様々な定義や表現がありますが、「ビジネス上の目的を達成するための全てのこと」と考えれば分かりやすいです。

「マーケティング力」とは、その「力」であるので、「ビジネス上の目的を達成するための全てのことを効果的に実行する能力」とここでは定義したいと思います。

なぜ「マーケティング力」を身に付けるべきなのか?

どのようなビジネス、仕事でも「マーケティング力」があれば、ビジネス上の成果を出しやすく、給料も稼ぎやすくなりますが、一般的にどのような職種の方でも「マーケティング力」に乏しい方が大半、というのが実態でしょう。

「Webデザイナー」でも同様です。

Webサイトを制作する理由

「Webデザイナー」はWebサイトを制作するのが仕事ですが、「なぜ、企業がWebサイトを制作するのか」、その理由を考えたことはありますでしょうか?

企業は、Webサイトにビジネス上の成果を求めています

サイトによって目的が違うのですが、Webサイトからの問合せ数や販売数、来店数、採用の応募数を増やすなど、とにかく事業で利益を出すために、企業はWebサイトを立ち上げ、運用しています。

しかし、残念ながら、この「真に望んでいる、Webサイトからの利益」が得られない企業がまた多いのも現実なのです。

その理由は簡単で、Webサイトを運営する企業にも、制作した側にも「マーケティング力」が乏しいからに他なりません。

Webデザイナーに求められているもの

Webデザイナーに求められている能力は、勤務する会社や役割によって変わります。

前述の通り「企業がWebサイトを運営するのは、事業で利益を出すため」とお伝えしましたが、「利益を出す部分」はWebデザイナー以外の誰かが担うので、Webデザイナーには、イメージ通りのデザインで形にすることを求められる場合もありますし、「利益を出す部分」もWebデザイナーに考えてほしい、提案してほしいと期待されている場合もあります。

お客様も「マーケティング力」に乏しい場合が多々あります。ほとんどかもしれません。お客様もWebサイトの運営が初めて、というケースは多いもの。過去に経験が無いのでノウハウも無いのです。

お客様も制作側も「マーケティング力」が乏しければ、あっという間に利益が出ないサイトの出来上がりです。どんなに素晴らしいWebデザインだったとしても、利益が1円も生まれなければ、その企業にとってWebサイトは「失敗」なのです。

こんな時、もし自分に「マーケティング力」があって、お客様に適切な提案をすることができ、結果が出たら喜ばれますし、仕事も増えていくことでしょう。

「Webデザイン力・お客様のイメージを形にする能力」が求められているのか、「Webサイトから利益を出す能力」が求められているのか、はたまた両方かもしれませんが、「Webデザインだけを専門とするWebデザイナー」にでもならない限り、「マーケティング力」は常に求められているのです。真に需要がある、必要とされているのは「マーケティング力」なのです

ほとんどのWebデザイナーは「生まれてから一度も料理を食べたことが無い料理人」のようなもの!!

Webデザイナーはたくさんいますが、自分でWebサイトを運営して利益を出した経験がある人は割合としてはとても少ないと思います。

「Webサイトを立ち上げる」というのは企業が「利益を出すため」ですが、制作側にその経験が無いなんて、どう思いますか?

これって、まるで「生まれてから料理を一度も食べたことの無い料理人」と同じですよね。自分では料理を食べたことはないけれど、独学で料理の勉強をしたり、スクールで習ったりして、盛り付けや見た目は美味しそうな料理が作れる料理人に近いと思うのです。

見た目と違って味は最悪、誰も食べたくない、というような…。

こんなことが日本中で今も普通に起こっているのがWeb制作業界なのです。

ですので、Webデザイナーを目指している方は、「マーケティング力」をぜひ身に付け、Web施策で困っている会社さんを助けられればいいですよね。

他のWebデザイナー志望者とは「マーケティング力」で差別化する

これまでの解説のように、Webデザイナーに対して真に求められている「マーケティング力」ですが、多くのWebデザイナーやWebデザイナー志望者に、その能力はほとんど無いのが実情です。

私がこれまで、未経験からWebデザイナーを目指している方を面接してきた中で「マーケティング力」が少しでもあるなと思えた方は、ほとんどいませんでした。

ただ、逆に言うと、これはチャンスでもあります

現役のWebデザイナーでも「マーケティング力」に乏しい現実で、未経験でWebデザイナーを目指している方のほとんどは「マーケティング力」なんてありません。

そんな中、少しでもあなたが「マーケティング力」をアピールできれば、他のWebデザイナー志望者とは明確な差別化になるのです。

実務経験が無かったとしても、「マーケティング力」があると分かれば、興味を持つ企業は必ずあるでしょう。私が採用側にいた時も、やはりそういう方が優先的に採用となりました。

特に事業会社でWebサイトからの売上を上げたい、などの課題に直面している時に、そういう人材がいれば確実に興味を持つはずです。

「マーケティング力」を身に付けるには?

では、それほど価値がある「マーケティング力」を身に付けるにはどうすればいいでしょうか?

答えは簡単で、「自分でWebサイトを立ち上げて利益を出す」ことができれば、「マーケティング力」は自ずと付いてきます。

今はブログでもアフィリエイトでも、個人がWebサイトから収益を出すための情報がネット上に溢れています。

自分でWebサイトの企画から制作、立ち上げ、運用まで経験し、月に1円でも利益を出すことができれば、その他大勢のWebデザイナーより「マーケティング力」が付いていることになります。

Webサイトを立ち上げたいと考えている人と同じことをやってみる

これが大事です。

まとめ

  • 「独自の戦略」とは「中小企業の事業会社でWebデザイナー(Web担当者)を目指す」こと
  • その土台となる能力が「マーケティング力」
  • マーケティング力を養うために「自分でサイトを運営し利益を出してみる」

どのようなWebデザイナーになって、どのような将来を目指すのか。

未経験からWebデザイナーを目指しているなら、その他の志望者とどう差別化をしていくのか。

自分自身を企業に売り込むという点では、もう既に「マーケティング力」が問われていますよ

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