Webデザイナーになったとしても将来があるのか無いのか、Webデザイナー志望者にとっては不安な面があるかもしれません。
本記事では、Webデザイナーから始まって16年以上、Web業界で生きてきた経験から、Webデザイナーの将来性や将来設計について、解説します。
Webデザイナーは将来にわたって稼ぎ続けることができるのか?
Webデザイナーの中でも、「お客様のWebサイトを制作するWebデザイナー」という前提であれば、結論から言うと、現実的には「ほそぼそと稼ぎ続けることはできるかもしれないが、給料は厳しそう」と考えています。
現時点でもWebデザイナーの給料は、他の職種と比較して平均よりも低い傾向にあります。
Webデザイナーの平均年収が低い理由
なぜ、Webデザイナーの平均年収が他の職種よりも低いかというと、とても残念なことですが「価値が低いから」に他なりません。
どうして「価値が低い」のかという点については、本質的な話をすると「制作するWebサイト自体の価値が低い(とお客様に判断されている)」ことに最大の原因があると考えています。
「Webサイトの価値が低い」とはどういうことか?
Webデザイナーが制作するWebサイトというのは、多くは営利企業のビジネスサイトです。事業の利益を拡大させるためにWebサイトを作るんですね。(大学や公共施設等の非営利団体のWebサイト制作もありますが、割合は企業サイトが多いと思います)
どんなに綺麗でカッコいいWebサイトを作ったとしても、公開した直後は全く利益を生み出せません。たった1円のキャッシュも得られないのです。
Webサイトを公開してから、アクセスを集めるためにコンテンツを作成したり、広告を出したり、成約率を上げるための改善を繰り返すことでようやく利益を出せるようになります。
ところが、Webサイトから利益を上げることができない状況に陥る企業が多い、というのが現実です。
これは企業側のWeb運営に対する意識が足りなかったり、体制に問題があったりする訳ですが、とにもかくにも企業側にとってWebサイトの価値というのは「立ち上げ当初は未知数」なんですね。このような「不確定要素」に企業はコストをかけられないという心理が働きますので、安く済ませようとするのです。
そのため、難しいプログラミングが必要等の要素が無ければ、案件単価はそうそう高くはなりません。
ただしWeb業界自体は成長している
Webデザイナーの給与や年収面は厳しい現実をお伝えしましたが、Web業界自体は成長しています。
インターネット関連の広告費は、新聞や雑誌、ラジオを抜いて、今やテレビに次ぐ規模を誇ります。それだけ企業がインターネットでの宣伝に価値を感じているということです。
インターネットでの宣伝には当然Webサイトが必要ですから、Webデザインの仕事自体は増えていくと予想できます。
ですので、成長している業界でうまく仕事を掴むことができれば、給与面は別として、稼ぎ続けることはできるだろうと考えられます。
やっぱりWebデザイナーには将来性が無いのか…と諦めるのはまだ早い

Webデザイナーの現実を直視すると、将来性に不安を感じるかもしれませんが、だからと言ってWebデザイナーを志している方は諦めた方がいいとは全く思いません。(WebデザインやWeb関連の仕事が好き、という条件付きではありますが)
Webデザイナーの将来設計はどうあるべきか?
どうしてもWebデザインだけがしたい、Web制作だけがしたい、いうような場合は、よほどのデザイン力がなければ、永く稼ぎ続けるのが困難と思われます。
そのため、Webデザイナーの将来設計としては、WebデザイナーからWeb業界に入り、スキルを上げつつ、将来的にWebディレクターやWebプロデューサー、Webマーケッター、Webコンサルタント、Web編集者などになれば仕事の幅も収入も上げていくことができます。
私もWebデザイナーから始めて、Webディレクター、自社サイトのWeb担当者、Webマーケティング担当者と経験を積んで今に至りますが、これらに必要な共通する能力は「Webサイトを運用して目的を達成させる能力」です。
Webデザイナーの「Webサイトを制作する能力」に加えて、Webサイトで目的を達成させるための「マーケティング力」を身に付ける、という考え方で将来設計をしていくのが、Web業界で永く稼いでいくのに必要なことだと考えています。
「マーケティング力」については以下の記事もご参考ください。
まとめ
- Webデザイナーの将来性は給料面では現時点でも残念ながら厳しいのが現実
- ただし、Web業界自体は成長している
- Webデザイナーは「マーケティング力」を身に付けることを中心に将来設計をしていけば、仕事の幅も給料も上げることは可能
Webデザイナーの厳しい面を冒頭から述べましたが、これは何もWebデザイナーに限った話ではありません。
どのような職業でも自分自身の付加価値を高めることができなければ、収入を上げるどころか下がってしまいます。
Web業界で必要とされていることを身に付けていけるような将来設計をして、成長していけば、Webデザイナーの将来はいくらでも明るくすることができます。