私が尊敬するすごい社長が過去に書籍やネット上で述べられていた、ビジネスモデルや新規事業、商品開発のポイントをまとめました。
私は新規事業、新商品・サービスの開発に携わっているので、とても参考にさせていただいております。
リブセンス 村上社長
25歳1か月という史上最年少での株式公開を果たしたリブセンスの村上太一社長。
リブセンス社は成果報酬型のアルバイト情報サイト 『ジョブセンス』で有名ですよね。
『「深夜までただ働き続けた」 最年少上場のリブセンス村上社長が語る、ベンチャー的な働き方』(現在ページが無くなったようです)の中の後半部分で、起業時のビジネスモデル開発について以下のように述べておられます。
ビジネスモデルの基本は何だろうとひたすら本を読んでると、不便や問題の解決がビジネスの基本だというんです。だから不便や問題を探すぞと、日常的にひたすらメモを続け、街とか歩いててもキョロキョロして挙動不審だと言われてたんですけど、街を見ながらずっと探していました。
ベンチャー企業が市場のないところでいくら頑張ってもどうにもならないじゃないですか。なので、もうしっかり市場があるところ、伸びがあるというところで、できそうだって思ったところの2点です。
こちらの記事の最後に「村上社長がいま注目しているビジネス」について記載されていますが、村上社長のブログでより詳細な内容が掲載されています。
⇒ 未来ではあたりまえ!! 注目する8つの領域
(現在こちらもページが無くなったようです…)
サイバーエージェント 藤田社長
アメブロなどのWebサービスや最近だとアプリ、ゲームで有名なサイバーエージェントの藤田晋社長。
個人的に、大好きなバンドのギタリストと付き合っていた女性と藤田社長が結婚した際には、驚きを禁じえなかったことを覚えております・・・
さて、『藤田晋の仕事学 自己成長を促す77の新セオリー』では要約ですが、以下のように述べておられます。
- ヒットのタネは日々の仕事の中にある。企画は働きながら、動きながら考えることが基本
- 伸びている業界や市場をまず見つけ、そこに立脚して企画を考える方が有利
- 良い企画が思い浮かばないのは、往々にして情報が足りないから
- 人間の発想は基本的に記憶ベースだと言われている。新しいアイデアも記憶や経験を組み合わせてひねり出すしかない
- 新しい事業に挑む時は、十中八、九の確立で成功している事例のモノマネから入るのが正しい解と言える。ただし、マネをしながらも自分なりにビジネスの構造を理解し、解釈し、経験や知識を蓄えて、そこからオリジナルな商品やサービスを生み出していくことが大切
楽天 三木谷社長
日本を代表するショッピングモール「楽天市場」で有名な楽天株式会社の三木谷浩史社長。
『成功の法則92ヶ条』では要約ですが、以下のように述べられております。
- 新規参入ほど大事ではなくても、企業は様々な新しい試みを繰り返しており、三木谷氏はそれを「実験フェーズ」と呼んでいる
- この段階でかける金をできるだけ少なくすることが、成功の条件
- ひとつの実験フェーズにかける資金を減らすことは、実験の回数を増やせるということ。打ち手を減らすどころか、増やせる
- 実験フェーズが成功したと確信したら、一気にスピードを上げる
GMO 熊谷社長
サーバーやドメインを中心にインターネットのインフラに強いGMOインターネット株式会社の熊谷 正寿社長。
『一冊の手帳で夢は必ずかなう – なりたい自分になるシンプルな方法』では、「チェックリスト思考のすすめ」というページがあり、熊谷社長は「賃金」「人事」「M&A」「組織」「IR」「資本政策」「新規事業研究」「家族」などの項目で「思考チェックリスト」というものを用意しているとのこと。
新規事業に関しては、「新規事業チェックリスト」があり、新しいネタに出会った際、初期的な関心を分析するのに利用されているようです。
一部が掲載されておりますので、以下に引用いたします。
新規事業チェックリスト
- 成長性
- 将来性
- 新奇性 ※注:書籍に掲載されているままの表記です
- ナンバーワンになれるか
- 特許をとれるか
- 競合はどこか
- インフラか
- ストックか
- 独占できるか
- 上場できるか
- 必要な人員数は など ※注:書籍では以上まで
実際に活用する際は、「◎」「○」「△」「×」の記号で判定し、新規事業の可能性について、ある程度の判断をされるようです。
この、チェックリスト思考の活用方法も大変参考になりますので、詳細は書籍でご覧ください。
図解版もあります。
ライブドア元社長 堀江氏
ホリエモンこと、株式会社ライブドア元社長 堀江 貴文氏のブログより。
私は起業するに当たって、自分の好きな商売ではなく確実に上手くいく商売から始めたほうがいいと言っている。具体的には、
- 利益率の高い商売
- 在庫を持たない商売
- 定期的に一定額の収入が入ってくる商売
- 資本ゼロあるいは小資本で始められる商売
をやればほぼ確実にうまくいくと指南してきた。
この内容を初めて読んだ方は「そんなビジネスや商品なんてないよ~><」と思うかもしれません。私も昔はそうでした。
以前勤めていた会社では、この堀江氏の提言とは全く関係ない中で、事業の方針をまず、ズバーンと決めました。
堀江氏の提言を知ったのが先だったか、この会社の方針が先だったか記憶が定かではありませんが、会社の方針は堀江氏の提言に近しい内容でした。
なので、その方針を打ち出された時は「難しいなあ」と思いましたが、しかし、方針があるから、方針に合うビジネスや商品を必死になって探し、方針に沿ったビジネスの設計して、結果、望んでいたあるべき姿に到達できたという貴重な経験をさせていただいたことがあります。
ですので、「こんなの無理!」と思考停止させるのではなく、「では、どうすればできるか?」という考え方で、「(方針や目標に対して)やってやろう!」と思わなければ、何事も成し遂げられない、と今では素直にそう思えます。
平成進化論 鮒谷社長
ビジネス系のメルマガで有名な『平成進化論』。著者は有限会社セカンドステージの鮒谷 周史(ふなたにしゅうじ)社長。
著書 『仕事は、かけ算。 ~20倍速で自分を成長させる』では、鮒谷社長が成功するビジネスの条件として決めていた10項目が紹介されています。
- 在庫を持たない
- 粗利率が高い(7~8割以上)
- 頭を下げないで商売ができる(お願い営業をしなくてよいもの)
- 参入障壁が高いが、撤退障壁は低い
(競合が少なく、万一のときはすぐ撤退できる)- ビジネスが成長するとき、自分の肉体や時間がボトルネックにならない
- インターネットを活用する
- 自分が興味を持って没頭できる
- 一定以上のマーケットが、すでに存在することがわかっている
- ナンバーワン、もしくはオンリーワンが狙えるジャンルである
- 成熟期ではなく、成長期にあるビジネスである
著者のプロフィール等を拝見し、おそらく2003年頃だと思うのですが、著者が失業中に「ビジネスモデル1000本ノックでアイデアを磨いた」とのことです。
2003年だとしたら、今から12年前のことですので、その時代からこのような考え方、特に「インターネットを活用する」という点は狙い方が流石ですよね。
「ビジネスモデル1000本ノック」とは、鮒谷社長は毎日30個ずつ、とにかくビジネスモデルをひねり出し、前日までのアイデアと競い合わせて勝ち残りを決めていくというオリジナルの発想法のことで、3ヵ月後に残ったのが「自分が成長していく様子をメルマガにして収入を得る」というビジネスモデル。それが『平成進化論』ということです。
鮒谷社長の詳細なプロフィールにある、利益の内容がハンパないので、興味のある方はご参照ください。
会社力研究所 長谷川代表
長谷川代表は、ニコン・エシロール社の元社長で、50億円の赤字から1年目で黒字転換させ、2年目で無借金経営に変貌させるなど、2,000社以上の企業再生事業に参画し、大半を立て直したというスゴ腕経営者。現在は会社力研究所代表で、コンサルタントとしてご活躍中です。
著書 『2000社の赤字会社を黒字にした 社長のノート』より、ご自身の仕事の種明かしということで、ジョンソン勤務時代の同僚であった、梅澤伸嘉経営学博士の分類で「10の考え」がありますので、以下に引用いたします。
- 豊かさニーズ(心豊かな人生を送りたい)
- 尊敬ニーズ(認められる人生を送りたい)
- 自己向上ニーズ(自分を高める人生を送りたい)
- 愛情ニーズ(愛されて生きる人生を送りたい)
- 健康ニーズ(元気な人生を送りたい)
- 個性ニーズ(自分らしい人生を送りたい)
- 楽しみニーズ(楽しく、ラクな人生を送りたい)
- 感動ニーズ(心ときめかせる感動の人生を送りたい)
- 快適ニーズ(快適な人生を送りたい)
- 交心ニーズ(仲良く、心温まる人生を送りたい)
長谷川代表は、これらの考えをもとに、商品開発や販売戦略など、マーケティングの仕事を優位に進めてきたとのこと。
「人間の持つ心の本性、ニーズをうまくつかんで仕事に生かそう!」とも述べておられます。
銀座まるかん創設者 斎藤一人さん
健康食品や化粧品を主に販売している『銀座まるかん』創業者の斎藤一人さん。(斎藤一人さんにつきましては、親しみを込めて「一人さん」と呼ぶことが多いので、私も「一人さん」とさせていただきます)
一人さんは、1993年から毎年、全国高額納税者総合番付 10位以内にただひとり連続でランクイン。2003年には累計納税額で日本一になった大富豪です。納税の内訳には、土地売却や株式公開などによる高額納税者が多いとのことですが、一人さんの納税額はすべて事業所得によるものとのこと。
私も一人さんの考え方には共感するものが多く、一人さんの本をよく読んでいました。一人さんの本は精神論的な部分が多いのですが、『斎藤一人 500年たってもいい話』は、数ある一人さん本の中でも最もと言っていいくらい現実的な内容となっています。
この本は、読者からの質問を一人さんが答えるという構成になっていますが、その中から以下を引用します。
Q.小さな会社を経営しています。一発ヒット商品を当てれば会社もラクになるのですが、ヒット商品を生み出すコツって、ありますか?
(一人さん)一発当たるといいよね。どこの人も考えていると思うよ。そんなあなたに向いたコツを教えます。とにかく寝ても覚めても考えます。何を見ても考えます。胃が痛くなるほど考えます。考えて、考えて、出るまで考えます。
最初、これを読んだ時は「そんなの当たり前じゃ~ん!」と一瞬思ったのですが、でもこれが本質なのかなとも思います。
本記事冒頭のリブセンスの村上社長もビジネスのもととなる「不便や問題を探す」ために、「日常的にひたすらメモを続け、街とか歩いててもキョロキョロして挙動不審だと言われてたんですけど、街を見ながらずっと探していました。」とおっしゃっているように、求めるものが出るまで、24時間考え続けられた人のみが得られるのかもしれません。
以上、すごい社長8人による、ビジネスモデル・新規事業・商品開発のポイントでした。