2014年7月28日に放送された『プロフェッショナル 仕事の流儀』は中日の山本昌投手の話でしたが、山本昌投手の特長のひとつである、「ストレートのキレ」を持続させるための「流儀」が紹介されていましたので、今回はこの流儀についてご紹介します。
ストレートのキレ
山本昌投手が何より大事にするのは「ストレートの質」。
山本昌投手のストレートの球速は130キロ台と、プロとしては速くはない方なのですが、それでもバッターが打ちあぐねる理由は「ボールのキレ」にあるとのこと。
松井秀喜さんも、
「やっぱりスピードガン以上に外角のストレートっていうのはね、球速以上にキレを感じましたよね。
地をはうような感じ、本当にすーっとくるようなね、物理的にはあり得ないんですけど、加速してくるような、低いかなと思っても最後がっとひと伸びする、そういうストライク。」
とおっしゃっています。
一口にストレートと言っても、その軌道はピッチャーによって異なる

ボールの回転数が多いほど空気抵抗を受けにくく、スピードが落ちにくい。
これがいわゆる「キレの良いボール」。
キレの良いボールは手元で伸びたように感じ、打ち損じやすくなります。
山本昌投手はこのキレを生むために、ボールをはなすタイミングにとことん拘ってきたそう。
山本昌投手
「一番(腕の振りが)加速の高いところまで我慢させるっていうことは、一番スピン量が多くなるのは間違いない。緩いところで離すんじゃなくて、一番速いところで(ボールを)離す。
コンマ何秒余分に取れたとかね、時間が。その分(腕が)大きく回ったとか、そういうことをフォームで作っていく。」
『維持するために、進化する』
山本昌投手のストレートは、この20年間スピードもキレも落ちていないと言われているとのこと。
それを可能にしてきた流儀が、
『維持するために、進化する』
山本昌投手はピッチャーの生命線である投球フォームを毎年のように変えているとのことでした。
例えば、ボールをより前で離し、キレを増す工夫として紹介されていたのが、踏み出す足の幅を、2年前に6歩半から6歩と2/3に広げたようです。
山本昌投手
「年齢による衰えをね、技術で補えるものは補わなきゃなりませんので、相殺するような作業だなと思っています。
それは維持するための進化ですよ。」
『維持するために、進化する』は裏を返せば、『現状維持は後退を招く』ですよね。
世の中は「諸行無常」。
「あらゆる事は常に同じでは無い」ので、野球なら年々バッターもバッティング力が上がっていきますし、他の投手もピッチング力が向上する中で、同じことをしていては相対的に負けてしまう可能性が高いですよね。
「維持」はもちろんのこと、何でも「どんどん発展していきたい」と考えていると思いますので、発展のためにも「常に進化」をしていかないとダメだなと、山本昌投手のお話を聞いて改めて思った次第です。