少年野球に限らず、野球の中でも分かりづらいピッチャーの「ボーク」。ボークの意味やルール、種類をご紹介します。
ボークとは? ボークの意味
ボークとは、『公認野球規則』の2・03で、「塁上にランナーがいるときのピッチャーの反則行為である。その場合には、全ランナーに各1個の進塁を許す。(8・05)」とあるように、主に走者がいる際のピッチャーの反則のことを言います。
走者がいない場合でもボークはあります。その際は、バッターカウントでボールが一つカウントされます。
ボークの意味ですが、語源を確認すると分かりやすいと思います。
ボーク(balk)の語源は乗馬用語で「馬が突然立ち止まる」というところから、「急に止まる」「立ち止まる」「躊躇(ちゅうちょ)する」という意味があります。
野球の場合のボークは、語源からも分かるように、ピッチャーが投球動作中に止まったり、躊躇するような動作をすると反則となります。
なお、少年野球や中学野球、高校野球、社会人野球、プロ野球の違いでボークのルールに違いはありません。
ボークのルールや種類
ボークには、公認野球規則の8.05項で定められている通り、全部で13項目が挙げられています。
公認野球規則では難しい表現なので、簡単に代表的なボークのルールを下記に記します。
- 右ピッチャーの場合は右足がプレートにふれていなかったり、左足がプレートの前であったりした場合。
- ランナーがいる場合は、セット・ポジション(セット・ポジションとは「動かない姿勢」ということ)で投げなければならない。一度両手を合わせて身体の前で完全に静止させる=セットした状態にならなければならないが、完全にセットしなかった場合。(このボークが一番とられやすいので注意!)
なお、セット・ポジションをとったら、首以外は指でも動かしてはいけません。動かすとボーク。 - グラブと利き手を離さずにプレートを外した場合。
- プレートに触れずに投球動作をした場合。
- プレートに触れながらボールを落とした場合。
- ボールを持たずに投球動作をした場合。
- バッターがまだ構えていないのに投球した場合。(クイックピッチという反則投球)
- ランナーに牽制するふりをしながら投球した場合。(投球の際は、顔をバッター方向に向けること)
- 投球動作の途中で、バランスを崩すなどして投球動作を中止した場合。
- ピッチャープレートに触れているときに1塁へ偽投(投げる真似)をした場合。
- 塁の方向に直接踏み出さないで牽制した場合。
- プレートに足が触れている状態でランナーのいない塁にボールを投げた場合。
- ベースから離れている野手にボールを投げた場合。
- 2塁への牽制時、2塁方向ではなく、本塁方向に軸足を外した場合。
- 右ピッチャーの場合、3塁牽制時に左足を上げた際、左足がピッチャープレートよりも2塁側に行った後に3塁へ牽制した場合。
- プレートを外さずに3塁へ偽投した場合。
- ランナー1、3塁で、3塁へ偽投してプレートを外し、1塁へ牽制した場合(2014年からボークになったので注意!)。
ボークのルールはなかなか複雑で難しいですが、しっかり頭に入れておきたいものです。