以前の記事『少年野球で指導者が子どもを野球嫌いにさせている』に「少年野球母」さんよりコメントをいただきました。
ご返信にあたり、長文になりコメント欄では読みづらいと思いますので、記事として投稿させていただきます。
いただいたコメント全文
いただいたコメント全文を以下に転載します。
怒鳴り散らす監督コーチの元、息子は野球を頑張っています。
地元の監督コーチが多く、地元の方は元ヤンキー野球部という、ナンとも野球とはかけ離れた経歴をお持ちで。
そもそも、息子が入団した時は、とてもいい監督でしたが、指導者間で揉めて辞めてしまいました。それからというもの、酷い罵声が飛びます。「この玉とれなかったら、土下座しろ」「お前、クソだな」いいプレーが出ても誉めません。(本人は、これでも誉めてますと言う。どこが?)
「何か意見があったら言って下さい」と言うくせに、言うと「やり方を変えるつもりはありません」と言う。
チームを変えたくても、当方の住む地域は、市内でのチーム移動は出来ないのです。(チームの偏りが出るとの理由で)辞めるしか選択肢がありません。
まだ救いなのは、息子が辞めたいと言わない事ですが、時間の問題かなとも思います。子どもにとって大事な時期である今、とんでもない指導者に出会ったと、入団を後悔しています。
子ども達は必死で練習しているのだから、大人達もいくらボランティアとは言え、子ども達の為に指導力を高める努力をしてもらいたいです。子ども達の精神的成長に影響が出ないことを願うばかりです…。
(※筆者注:強調は筆者によるもの)
…詳細は書けないのですが、うちも同じようなことがありましたので、お気持ちは痛いほどよく分かります。今もこのような言葉をかけられている子どもがいると思うと胸が痛みます。。
また、ここも詳しく書けず大変申し訳ないのですが、特に、
息子が入団した時は、とてもいい監督でしたが、指導者間で揉めて辞めてしまいました。それからというもの、酷い罵声が飛びます。
という部分が、うちもこれに近い事態だったのです。。
ですので、入団前に体験をさせていただいたりして、良さそうだと思っても、後で変わることがあるので、そうなるとどうしようもないですよね。。
念のため、他に移籍の道がないか確認
なかなか人は変われないですし、改善されるまでの時間がかかりそうな場合は、改善される前に子どもが完全に野球を嫌いになってしまうかもしれません。また、いろいろやっている内に卒団を迎えて意味が無い場合もありえます。
そのため、監督やコーチ、父母の皆さんに相談するなど、ある程度のアクションを起こしても、埒が明かなそうなら、やはりチームを辞めて、移籍の道を探る方がお子さんのためだと思います。
ただ、今回は少年野球母さんがおっしゃるように、
チームを変えたくても、当方の住む地域は、市内でのチーム移動は出来ないのです。(チームの偏りが出るとの理由で)辞めるしか選択肢がありません。
とのことですので、どうしてもチームを変えることが不可能かもしれません。
その上でのことになりますが、念のため、他に移籍の道がないかを確認してみてはどうかと思います。
少年野球チームを移籍、または辞めるということについて
まず、チームを移籍するということに関して参考になるかもしれませんので、うちの事例を交えて解説したいと思いますが、うちも最初のチームを退団し、別のチームに移籍しています。
うちの場合は、子どもにとって、それ以上、そのチームにいてもマイナスにしかならないと判断したのと、親としても、もうそのチームに関わりたくない、協力したくないという思いが最高潮に達し、限界にきてしまったからでした。
もともと、チームにはできるかぎり協力したいという気持ちがありましたので、そのチームの監督に依頼されて、「スポーツ少年団認定指導員」の資格を取得しましたし、塁審なども積極的にさせていただきました。
スポーツ少年団認定指導員の資格を取得する際は、事前に20時間の自主学習が必要ですし、2日間びっしりと講習を受け、試験に合格しなければなりません。結構時間がかかるもので、それでもチームのためと思い、資格を取得するために時間と労力を提供したのです。
辞めるつもりは無く、本当は辞めたくなかった
「少年野球チームを辞める」なんて全く頭に無かったです。小学校を転校すること以外でチームを辞める、移籍するなんて、自分も6年生で卒団するまで少年野球をやっていましたが、身近にはありませんでした。
しかし、うちの場合は既にひとつ上の学年(その子たちは当時4年生)の2名が退団し、硬式チームに移籍しました。衝撃でしたね。次の年にうちも辞めることになるのですが…。
そのチームでは、うちの兄弟を含めて2年間で7人が退団しましたが、異常ですよね。子どもとか親の問題ではないということが、お分かりいただけるかと思います。
監督、ほとんどのコーチ、ほとんどの父母、チームメイトの子どもたちのどれもが良い関係でしたが、「ある一点のみ大問題」があったためチームを辞めました。何が問題だったかは詳しく書くといろいろありそうなので、控えさせていただきますが、この書き方でお察しいただければと思います。
子どもたちは仲が良かったので、本当は辞めさせたくなかったです。一緒に卒団させてあげたい気持ちもありました。苦渋の決断でした…。
移籍先のことを何も決めずに、とにかく辞めた
チームを辞める際は、前述の通り、前年に上級生が硬式チームに移籍していた事例があったので、どこかには移籍できるだろうという思いもあり、次のチームのことは全く考えず、何も決めないままとにかく辞めました。
うちにとっては、とにかくチームから離れることが最重要・最優先だったのです。
辞めると決めるまで、子どもには辛い思いをさせてしまいました。親としても本当に苦しかったです。食事も喉を通りづらくなったり、常にそのことで頭がいっぱい、寝つきも悪くなり、仕事のパフォーマンスにも悪影響…。
監督に退団の意向を伝えた時、ようやくこの苦しみから解放されたのでした。開放感に包まれながらも、「子どもたちはいつから、また野球ができるのだろう」という焦り、「今後は楽しく野球ができるだろうか」という不安もわずかにありました。
それでも、チームを辞めることの方が、子どもにとっても、親にとってもプラスであるという考えに変わりはありませんでした。
そして、3つの少年野球チームで体験練習をさせていただき、現在お世話になっているチームに移籍することになるのです。
うちの事例が少し長くなりましたが、この時に得た経験を含めて、以下の4つの選択肢について、本当に道が無いのか確認していただければと思います。
少年野球チームを移籍する際の4つの選択肢
【1】小学生の硬式野球チーム
チームの移籍先として、最初の候補にあったのが、小学生が入団できる硬式野球チーム。既に移籍した上級生のチームメイトがいたのと、比較的、場所も近かったので有力な候補の一つでした。
チームの移籍にあたって考えていたこととして、「在籍したチームともう関わりたくない」という思いが強くあり、同じ地域の少年野球チームだと対戦する可能性があるので、基本、そのようなチームは除外でした。
また、同じ地域の少年野球チームだと、地域のチームが加盟している少年野球連盟などで、移籍に関するルールが定められていることがあり、移籍自体ができなかったり、移籍できても一定期間試合に出られない、などもありますので、そういった面でも、同じ地域の少年野球チームへの移籍は考えていませんでした。
うちが最初に所属したチームは軟式でしたので、硬式チームに移籍すれば、所属する連盟も違うので、移籍に関するルールも適用されませんし、所属していたチームと対戦する可能性も全くありません。
指導者や指導内容も素晴らしかったので、個人的には良さそうだと感じていましたが、子どもたちが、今お世話になっているチームを選んだので、子どもの意見を尊重して決めました。
近くに小学生でも入団できる硬式野球チームが本当に無いか確認してみてはどうかと思います。
【2】軟式のクラブチーム
地域の少年野球連盟に加盟していない「クラブチーム」というのもあります。連盟に加盟していないので、移籍に関するルールは適用されません。
うちも、若干遠いのですがクラブチームがありましたので、体験練習をさせていただきました。離れている分、対戦する機会も少なそうですし、こちらのチームも指導内容が良かったのですが、前述の通り、子どもたちの意見を尊重して、今のチームに入団しました。
近くにクラブチームが無いか、今一度確認してみてはどうかと思います。
【3】ポルテ
「ポルテ」という野球スクールがあります。これは週1回の練習しかありませんが、営利企業の野球スクールなので、指導者は教育されたプロフェッショナルです。変な罵声を浴びせるなどはありません。そんなことをしてたら、お客である子どもたちが誰も通わなくなり、経営が成り立ちませんからね。
私の妻の友人の子どももポルテに通っていますが、楽しそうですよ。
ポルテは全国で活動しているので、近所でやっていないか確認してみてはいかがでしょうか。
【4】辞める(適宜野球スクールに通う)
4つ目は移籍ではなく、辞めるという選択肢です。うちの兄弟が退団した年に、別の兄弟も退団しましたが、その兄弟はどこのチームにも移籍せずに辞めたままです。
その兄弟の上の子は中学校で部活の野球をすると聞きました。
また、うちの兄弟はポルテではない、別の野球スクールにも通っていますが、少年野球チームを辞めて、野球スクールのみで練習を続け、中学で部活か硬式チームに入るという選択肢もあります。
うちの場合ですが、どこにも移籍できなかったとしても、野球スクールがあったのは心の支えになりました。
通えそうな野球スクールが無いか、調べてみる価値はあると思います。
まとめ
うちの場合は、少し離れたところにある少年野球チームでお世話になることができたのですが、常に送り迎えをしなければならず、同じような選択肢はちょっと大変かもしれません。
本当に移籍の選択肢が無いのかもしれませんが、探してみると、いろいろ見つかる可能性もあります。
うちも、何も調べず、最初のチームに入団した際は、比較的近くに硬式チームや軟式のクラブチーム、ポルテ、野球スクールがあるということを全く知りませんでした。
子どもの未来ある可能性を潰さないためにも、他の道がないか調べてみることをおすすめします。
なんとか事態が好転するよう、お祈り申し上げます。